コラーゲンによる美肌対策の方法として名前をよく聞く月桃葉エキスですが、具体的にはどのような効果があるのでしょうか。
月桃という植物についてや、コラーゲンの肌への効果、月桃葉エキスの効果的な摂取方法についてご紹介します。
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月桃葉エキスとは?
月桃はショウガ科ハナミョウガ属に属する植物で、熱帯から亜熱帯のアジア圏で生育しており、日本では九州南部や沖縄でみられます。
月桃という名前の由来は、花のつぼみが桃の形に似ていることから名づけられました。

月桃は斑が入っているものを観葉植物として栽培することがありますが、他にも葉から抽出した油が甘い香りを持っているので、天然のアロマオイルや香料としても使用されることがあります。
また虫よけ効果もあるため、虫よけスプレーなどにも配合されることがあります。
沖縄では地域特有の伝統菓子であるムーチーを包装するのに使われ、ムーチーが傷んだりカビが生えたりするのを防ぐ用途にも用いられています。
そんな月桃ですが、最近ではその葉にヒトの肌を健やかに保つ働きがあることが分かり注目されています。
美容アイテムに配合し、その効果を得るために月桃の葉から抽出されたものが月桃葉エキスです。
コラーゲンにはどのような美肌効果があるのか
肌に良い効果を与えるものとしてコラーゲンが有名ですが、具体的にコラーゲンがどのように働き私たちの肌に良い効果を与えてくれるのでしょうか。
コラーゲンは体の真皮や靱帯、腱、骨格、軟骨などを構成するタンパク質の一つで、ヒトの体のタンパク質総量のうちほぼ30%を占めると言われています。
コラーゲンは真皮を構成している成分の一つだと説明しましたが、その配分は大きく、真皮のおよそ70%がコラーゲンによって作られています。
真皮に存在するコラーゲンはⅠ型コラーゲンと呼ばれており、繊維状に重なりあった三重らせん型の構造をしています。
その構造とゴムのような性質により、肌にハリと弾力を与えてくれます。
ヒトの体内にはⅠ型コラーゲンの他にも、28種類のコラーゲンがあることが分かっています。
そのうち9種類のものが皮膚に存在し、恒常性の維持などの役割を果たしています。
大別に分けたコラーゲン
- 線維を形成するコラーゲン
- 膜型コラーゲン
- 真皮と表皮をつなぐコラーゲン
- 線維の太さをコントロールするコラーゲン
- ビーズ状の線維を形成するコラーゲン
これらのコラーゲン全てが密接にかかわり肌の弾力やハリを保っています。
また美肌を保つだけでなく、関節や腱の柔軟性を高め体の可動性を向上させる働きも持っています。
このように人間の体に欠かすことができないコラーゲンですが、年齢を重ねるとどんどん減少していき、体の中でコラーゲンを新しく作り出す力も衰えていってしまいます。
体内のコラーゲンを増やす方法として、食事やサプリメント、美容アイテムなど様々な対策がありますが、近年注目されているのが体内で新しくコラーゲンを産生する力を高める方法です。
月桃葉エキスはコラーゲン産生を促進する
コラーゲンは、体内のアミノ酸などを原料にしてビタミンCなどの成分によるサポートを受けて合成されますが、 体内でコラーゲンを作り出しているのは皮膚線維芽細胞と呼ばれる細胞です。
皮膚繊維芽細胞は体内の結合組織の中に存在していて、コラーゲンの他にもヒアルロン酸やエラスチンといった真皮を構成する主成分を作り出している細胞です。
月桃葉エキスは、その皮膚繊維芽細胞の増殖を促進する作用があり、さらに皮膚繊維芽細胞を活性化させることでコラーゲンの産生効率を上げる働きを持っています。
これにより、月桃葉エキスは年齢とともに減少してしまうコラーゲンの産生量を向上させる面からアプローチして、肌のハリや弾力を守ります。
月桃葉エキスにはコラーゲン分解酵素活性阻害作用もある
コラーゲンの産生量を上げてくれる月桃葉エキスですが、それだけではなくコラーゲンが減少してしまう原因にも効果を示します。
先ほど書いたように、皮膚の大部分を占めているⅠ型コラーゲンは繊維状に折り重なった3重らせん構造をしており、肌に弾力とハリを与えるだけでなく非常に強固なものとなっています。
3重らせん構造をとっているⅠ型コラーゲン(コラーゲンはタンパク質の一つ)は、化学的に安定していて強固なものとなっているのですが、具体的にはそのようなタンパク質は通常のタンパク質分解酵素では切断することができません。
タンパク質の分解について一番分かりやすい例は胃液やすい液、腸液に含まれている消化分解酵素によるお肉の消化です。
この反応はペプシンやトリプシン、ペプチターゼといった消化分解酵素がタンパク質の結合部分を切断することによって細かく分解していきます。
ヨーグルトに含まれるタンパク質分解酵素により、タンパク質が消化分解されて柔らかくなるのです。
このように通常のタンパク質は、様々なものに含まれ色々なところに存在しているタンパク質分解酵素により分解されてしまいますが、Ⅰ型コラーゲンのように3重らせん構造をとっているタンパク質は結合力が強いため分解されません。
コラゲナーゼはコラーゲンを分解する特別な酵素
しかし、コラーゲンを分解する特別な酵素というものも存在しており、コラゲナーゼと呼ばれています。
コラゲナーゼは、3重らせん構造を構成している3本の鎖に作用して、一ヶ所で3本まとめて切断してしまいます。
そして切断された後の鎖はとても不安定になり、通常のタンパク質分解酵素によって簡単に分解されるようになってしまいます。
ここで月桃葉エキスの役立つ効果として、コラーゲン分解酵素活性阻害作用が活躍します。
月桃葉エキスは体内でコラゲナーゼが合成されるのを防ぐことにより、コラーゲン分解酵素の活性を阻害します。
皮膚繊維芽細胞を活性化させ、コラーゲン産生を促進させる効果にコラーゲン分解酵素活性阻害作用が合わさることにより、より効率的に体内のコラーゲン総量を上げることができるのです。
その他の月桃葉エキスによる美肌効果
体内のコラーゲン総量を上げてくれる以外にも、月桃葉エキスは様々な美肌効果を持っています。
月桃葉エキスには抗酸化作用を持つポリフェノールが豊富に含まれています。
この作用により高いアンチエイジング効果が期待できます。
月桃のように熱帯で生育する植物には、自身の組織を守るためにポリフェノールを豊富に持っているものが多いです。
また、月桃葉エキスには1,8-シネオールというユーカリの葉にも含まれる成分が含まれています。
この成分は抗菌作用、免疫力向上、抗炎症作用、去痰作用などがあることが分かっており、アレルギー症状を和らげることができます。
これにより花粉症が原因の花粉皮膚炎による肌荒れなどを防ぐことができます。
月桃葉エキスの効果を得やすい摂取方法を紹介
スキンケアに非常に有効な月桃葉エキスですが、より効果を得やすい摂取方法は何なのでしょうか。
一般的に言われている月桃葉エキス摂取方法には、月桃茶を飲むなど食事によるものがありますが、実はそれはリラックス効果や体内の浄化作用の面では有効ですが、スキンケアの面ではベストな方法ではありません。
体内で一度消化分解されるので、肌に効果が出るまでに少しロスがあり時間もかかるからです。
最もスキンケア効果が期待できるのが、直接肌につける月桃葉エキス配合の化粧品を使うことがおすすめです。
月桃葉エキスと美肌効果についてまとめ
特殊な3重らせん構造により私たちの肌にハリと弾力を与えてくれるコラーゲン。
そのコラーゲンを体内で産生する力を高める方法として効果的なのが月桃葉エキスです。
月桃葉エキスはコラーゲンの産生能力を上げるとともに、コラーゲン分解酵素活性阻害作用により皮膚のコラーゲン総量を上げてくれます。
そんな月桃葉エキスを摂取する方法としてスキンケアに効果的なのは、食事よりも月桃葉エキス配合の化粧品を使うことになります。